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中部レキセイの日常

毎日の仕事

父の信念

いつもお世話になっております。
代表の古川です。
先日の台風での被害は大丈夫でしたでしょうか?

今、当社では台風の被害を受けたお宅からSOSのご連絡を多数頂き、スタッフみんな駆け回っている最中です。

そんな中で、我が再認識したことがあるので、聞いていただけますか!
やはり、「防水は(その場しのぎに)やればよい訳ではない!どんな防水をするのかが重要だ!」と言うことです。

ご覧の写真は、今回台風の被害にあった春日井市の建物です。2棟が連なっているのですが別々の防水がしてありました。手前の建物の防水はビクともしていませんが、奥の建物の防水は全滅状態です。奥の防水はゴムシート防水で、風で防水層が剥がれ、破れてシワシワになっているのがわかるかと思います。防水層は端っこの金物で固定されているので、がかろうじて乗っかってはいますが下地とはくっついていないので、防水層の裏はビショビショです。こうなってしまうと補修では何ともしようがありません。全部めくって初めから全てやり直すしか手段がありません。

ここで私事になりますが、当社は私の父が約50年前に創業しました。父は、時代の波には乗らない。自分がいいと思ったものしか使わない。現場が大好きで、商売人ではなく、仕事が趣味のような人間でした!
一時期ゴムシート防水は、材料費が安く施工も簡単なので、どの業者も喜んで工事をしていました。でも、父は違いました。社員に「ゴムシート防水は信頼出来ないからやるな!お客さんに勧めるな!高くても絶対トーチ工法の方がいいから、トーチ工法の値段を極力下げてお客さんに提案するように。」と、いつも言っていたのです。
その時代、ゴムシートは人気がありました。トーチ工法はまだほとんど知られていませんでした。仕事をしだして間もない私は、「世間がゴムシートをこんなに評価しているのに、どうして父は頑なにゴムシートを嫌うのか?おかげでよそに仕事を取られてしまう事もあったのに、なんて頑固な人なんだろう~。。。」と思ってみたり、「あの仕事好きがいう事だからきっとそうなんだろうな~!」と思ってみたりで、私自身に確固たる信念はありませんでした。
それから年月が経ち、色々な現場を見ていく中で、ゴムシートの悲惨な現場に多々直面し、父が言っていた事は本当だったと認識しました。

父が他界し、跡を継いだ私は、父が目指してきた仕事は何だろう?と考え、あの人の行動を企業理念に掲げて仕事をしてきましたが、そろそろ10年を迎えようとしています。
そんな中、今回の台風でこの現場に出会った事で、久しぶりに父の信念に触れなおした気がし、気持ちが引き締まりました。

剥がれてボロボロになっている防水層は父の嫌いだった「ゴムシート防水」、何の不具合も無くキチンと役目を果たしているのは父が大好きだった「改質アスファルト防水トーチ工法」。別々には色々な現場で見てきているのでゴムシートのレベルは分かってはいることですが、立地や環境がある為完全に比較して考える事はありませんでした。
しかし、あの大きな台風直後に、全く同じ場所でこれだけはっきりとした違いを見せつけられたのです。
「ほら、見ろ!」って父が誇らしげに言っている気がしました。この現場を眺めながら、私は「さすがだね!お父さん!」と、心の中で父を尊敬していました。

やはり、私は思います。
改修工事は、その時点での価格だけを考えるのではなく「それからどれだけの期間大丈夫なのか?」「次の改修で、その時にかかる費用はどうなのか?」「今回みたいな災害が訪れた時は大丈夫なのか?」将来を見据えた上で、トータル的にメリットが出る提案をするのが、私達の役目だと!

その事を今回の大風では、再度認識しました。(懐かしい、父親の思い出話にお付き合いくださってありがとうございます。)
父鈴木正實の娘として、父の信念はこれからも受け継いで行こうと思っていますので、これからも応援よろしくお願い致します。

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